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きままにメガテン関係のSSを書いてゆきます
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少年まんが 談義
今日は、雨だったので駅からタクシー使いました。

気さくな運転手さんだったんで、雑談しているうちに、なぜか
最近、少年ジャンプ あついですね、ってえはなしになりました。


運転手さんは、メダカ……の水槽?とかそんなんがイチオシだそうです。
しらないわ

わたしは、ブリーチと、こちカメとハンター×2 しかみてない
あ、あとクレイモア(今月号は、怪獣戦争だった)


あと、新品で、今話題の、パクリマンガ…? みたいのかってよんでみた

あああ、このひとって、たしかあやつりサコンの絵かいて、魔界としブルースのイラストかいて
最後には、銃刀法違反で、逮捕された人だ!

名前は…、ええと、……わすれたな

まあいいや

ふーん


SSのつづきは、またあとで




そうそう、 ハンター×2で思ったんだけど、

あれって、単にキルアの妹のシャドウか、ペルソナか、破壊神とけいやくしただけなんじゃね?
いや、言魂つかいって、かのうせいもあるけど、
それだとあの可愛いオンナノコはサラマンダーきみたけに!

ふ、ふんどしはちょっと…


まあ、とりあえず、イルミさんとヒソカさんの友情と、目がいっちゃってるわりに、じつはいいお兄ちゃんだった

おふたりに、提案があるよ?

暇なときによんでね(いや、架空の人物だからさ…)





 

 THE CURSED  BROOCH 

《前編》

 

 

「ねぇねぇ、兄さん、これ見て。」
そう言って、ナスターシャが突き出して見せたのは、赤い石の嵌め込まれたブローチだった。
「どうしたんだ?」
「さっき、アンティークショップで見つけたの。キレイでしょ!すっごく安かったの。」
「ほう…。」
アクセサリーの類に、あまり興味が無いマイクロトフは、気のない相槌を打った。
が、妹の方は、兄の無反応ぶりに構わず、うきうきと言葉を続ける。


「これね、曰くつきのブローチなの。」
「曰くつき?」
「そう。このブローチは、持ち主の願いを叶えてくれるんですって。」
それを聞くなり、マイクロトフは吹き出した。
曰くつき、とは何事か、と思いきや……。
「ああ、よく雑誌の裏なんかに、この石の力で幸運が!とか載っている類の奴か。」
軽く笑い飛ばした兄に、ナスターシャはむきになった。


「違うわよ!!このブローチには、ちゃんと実績があるんだからっ。」
「わかったわかった。」
買ったばかりのブローチを握り締めて言い募る妹に、兄は宥める様にこう言った。
「なら、その霊験あらたかなブローチに、なにか願い事でもしてみたらどうだ?」
「えっ…。」
一瞬虚をつかれたように、ナスターシャは目をしばたいた。
だが、すぐに気を取りなおして頷く。
「それもそうね。じゃ、願い事をしてみるわ。あとで、後悔したって兄さんには貸してあげないから!!」
「分かった分かった。」


ブローチを真剣な表情で見つめるナスターシャ。
それを側で見守るマイクロトフは、こみ上げる笑いを必死で押し隠していた。
この年頃の娘と言うのは、占いだのおまじないだのに、気休め以上の意味を見出す物らしいが、自分の妹もその例に漏れない、と言うことなのだろうか。

 

「え~っと、わたし、メアリの持っているみたいなイアリングが欲しいわ!」
「なんだか、随分ささやかな願い事だな。」
「だって…、本当に叶うかどうかなんて分からないじゃない。」
このブローチには、実績がある、と言ったすぐ後できまり悪げにそんな事を言う。
「そもそもイアリングなんて、自分で買えば良いだろう。」
「まさか!!メアリのイアリングは純金にエメラルドを象嵌したものよ。同じものが、わたしに買えるわけ無いじゃない。」
金持ちの令嬢である御学友と、兄と二人っきりでつつましく暮らす我が身を省みて、ナスターシャは苦笑して見せた。
「そうか。なら、道で大金の入った財布でも拾えるように、願った方がよかったんじゃないのか?」
「それもそうね。」
兄妹は顔を見合わせて、同時に笑い出してしまった。

 

次の瞬間

 

ジリリリリ

 

電話のベルがけたたましく鳴った。
「何かしら。」
そばに居たナスターシャが電話に出る。
2、3会話を交わすなり、彼女の表情から見る見る血の気が引いた。
「えっ?……うそでしょ…。さっき別れたばかりなのに…え…ええ。もちろん、すぐ仕度するわ。」
カチャリと受話器を置いて、ナスターシャはマイクロトフを振りかえった。
「どうした?」
ただならぬ気配を感じて、マイクロトフが低く問う。
ナスターシャは、今にも倒れそうな顔色をしていた。
「酷い顔色だ。どうしたんだ?」
「メアリが…。」
ナスターシャは言葉を切り、信じられないと言うように頭を振る。


「メアリが…。今、車に跳ねられたって…。」
「なに!!」
妹の友人である顔見知りの少女の顔を思い出し、マイクロトフが目を見張る。
「病院に運ばれたのか?」
「ええ…。」
「どこだ、送っていく。」
「いいの。いま、ジェシーが迎えに来るから。」
ナスターシャの返事と同時に、玄関のチャイムが鳴らされた。
連続して聞えてくる音からするに、来訪者はかなり焦っているらしかった。
「ナスターシャ。」
「今行くわ!」
ドアの向こうの叫び声に、ナスターシャも叫び返す。
「ごめんなさい、兄さん。ちょっと行ってくる。」
言うなり彼女は、手早く上着を羽織り、ハンドバッグを掴んで飛び出して行ってしまった。

 

数時間後、ナスターシャは泣きはらした真っ赤な目をして帰宅した。
「駄目…だったのか?」
マイクロトフの言葉に、ナスターシャはこくんとうなずく。
「話も出来なかったのか?」
「ううん…。」
彼女は首を振って、しゃくりあげた。
「お…お別れ……お別れは…でっ…できたけど…。どうしよう。どうしたらいいの…。」
「気の毒な話だな。まだ若いのに…。」
妹と同い年の少女の死を悼み、マイクロトフが目を伏せていると。
出し抜けにナスターシャがテーブルに突っ伏して、激しく嗚咽した。
友人の死がショックなのだろうと、マイクロトフは立ち上がり、その背中を撫でてやった。
だが、彼女はそんな兄の手を振り払ってなおも声を上げて泣く。

 

「全部わたしのせいよ!!メアリはわたしのせいで死んじゃったのよ。どうしたらいいの!!」
不穏な台詞に、マイクロトフは眉をしかめた。
泣き伏す妹の背に、そっと言葉を投げる。
「なぜ、お前のせいだ。メアリは車に跳ねられたんだろう?」
「でも、わたしのせいなのよ。わたしがあんな馬鹿な願い事したから!!」
「願い事?」

 

妹の泣き声交じりの返事に、マイクロトフは、さっきからテーブルの上に置き去りにされていたブローチに目をやった。
「お前、………このブローチにメアリが死ぬようにとでも願ったのか?」
このブローチに、そんないかがわしい力があるとは到底思えないが。
マイクロトフは、他に思い当たる節も無いので、とりあえず口にしてみた。

 

「違うわ!!わたしは、そんなこと望んでない。」
「そうだろう。お前はメアリがもっているような、イアリングが欲しいって願い事をしただけじゃないか。…なのに、何故お前がメアリの死に責任が有るようなことを…」
すると言葉をさえぎる様な動作で、マイクロトフの目の前にぐいと拳が突き出された。

 

そして、その握った拳を開くと。
ナスターシャの手の平には、燦然と輝くイアリングが乗っていた。
金色に緑の宝石が嵌め込まれた、見事な細工のイアリングだった。

 

「ナスターシャ…。」
掠れた声で呟く兄に、妹は嗚咽で震える唇から言葉を押し出す。
「メ、メアリが…くれたの…。意識が無くなる直前……、2、3日前、初めて見たとき、わたしがうらやましがってたから…だから、わたしにくれるって…も、もう自分はイアリングなんかつけられないって………それで…わたし…わたし…。メアリはそれからすぐに…死んじゃったの…。」
ぽとりとイアリングを取り落とし、ナスターシャは両手で顔を覆った。


 

全身を戦慄かせて涙をこぼす妹を、マイクロトフが抱き寄せる。
兄の腕の中で、ナスターシャはひたすらしゃくりあげていた。
「アンティークショップの、おじさんの言う事なんか嘘だと思ったの。だから…だからっ。軽い気持ちで言ってみただけなのにっ……メアリが…。」
「アンティークショップの店主がお前に何を言ったんだ?」
「このブローチの事なの。」
ナスターシャはつと、マイクロトフの腕から離れて、テーブルのブローチを取り上げた。

 

「このブローチには、不思議な力があるって。願いを叶えてくれるんだって。でも、願いを叶える代わり、持ち主やその家族に不幸をもたらすって。願い事の代償が大きくて、…願いを叶えると、同時に不幸がやってくるんだって…。」
信じられないような物を見る目で、ナスターシャは手の中のブローチを凝視した。

 

「このブローチの運んでくる不幸に皆耐えられなくて…それで、このブローチは持ち主が転々と変わる…。でも…でも…そんなの、よくあるホラ話だって思ったの。古い品物にはつきものの因縁だって…だから…。なのに…。」
ナスターシャの目から、わっと涙が吹き零れた。
「メアリが死んだのはわたしのせいよ!!どうしようっ。イアリングが欲しいなんて言ったからだわ!このブローチは、さっきのわたしの願いを叶えたのよ!しかも、メアリを殺して。」
ペンダントを床に叩きつけるなり、ナスターシャは2階の自室に駆けあがってしまった。
後には、マイクロトフと、床に落ちた2つのアクセサリーが取り残された。

 


願いを叶えるかわり、持ち主を不幸にするというブローチ。
元の持ち主であるメアリの死を代償に、ナスターシャの物になったイアリング。

 

これは、偶然なのだろうか…………。


 

 

THE CURSED BOOCH  

《中篇》

 

 

 

マイクロトフがブローチを拾い上げ凝視していると。
玄関のチャイムが鳴った。
「はい。」
インターホンを取って耳に押し当てる。
「マイクロトフ。」
「カミューか。」
マイクロトフは、床のイアリングもついでに拾い上げ玄関に向かった。
扉をあけると、高校で知り合って以来の親友であるカミューの姿があった。
高校卒業後、カミューは大学に行き、マイクロトフは就職しているが二人の行き来が途絶えた事は無い。

 

「どうしたんだ?おまえ、今日から研究の為にノルウェーだかに行くんじゃなかったか?」
「そのつもりだったけどね、親族に不法があったものだから、飛行機を3日ほど遅らせたんだ。」
「そうか…。それは…その、残念だったな。」
「急なことでわたしも驚いたよ。」
「どなたが…亡くなられたんだ?」
「従姉妹なんだ。まだ18だったのに…。」
「ナスターシャと同い年だな。」
「そうなんだ。びっくりしたよ。メアリが死んだなんて…。」
「メアリ!」
マイクロトフは驚いて、思わず大声を出した。


「それはもしかして、ラティス女学院の3年に所属しているメアリ・ノートンか?」
「そうだよ。知ってるの?」
カミューの問いに気付かぬまま、マイクロトフは目を見張っている。
「お前、そのメアリという女性と親戚だったのか。」
「…なんでマイクロトフがメアリを知ってるの?」
重ねて問われ、マイクロトフはああ、と頷く。

 

まだ驚きの余韻が残っていたマイクロトフは……。
彼がメアリを知っている理由を尋ねたカミューの顔を、ほんの一瞬よぎった複雑な表情に気がつかなかった。
そして、マイクロトフの答えを聞き、何故か安堵の色を浮かべた理由も無論判るわけがなかった。

 

「俺が知っていると言うより…ナスターシャの友人なんだ。今日の夕方訃報が舞いこんできてな。ナスターシャはさっき告別式から帰ってきたばかりなんだ。」
「そうだったのか。」
「ああ、さっきから泣きどおしでな。なにやらおかしな事まで言い出すし。」
「おかしな事?」
「ああ。」
マイクロトフは、カミューをリビングに通しながら肩を竦める。

「ナスターシャが…、今日これを買って来たんだが。」
持ったままのブローチを見せると、カミューは首に巻いていたマフラーを外しながら、しげしげとそれを眺めた。
「へえ、綺麗だけど、随分古めかしい細工だね。」
「アンティークショップで買ったらしいんだが。まあ、それはどうでもいい。問題は、だ。ナスターシャはそのブローチのせいで、メアリが死んだと言うんだ。」
「は?」
「そのブローチはな、人の願いをかなえる不思議な力があるんだそうだ。だが、願いをかなえる代償に、願いをかけた人間に災いや不幸をもたらすとか…。」


 

全然信じていない口調で説明するマイクロトフ。
カミューも苦笑して、ソファに座った。
「曰くつきのブローチか。でも古い品物にはつきものの話だろう。まさか、本気にする事は無いよ。」
「無論、俺はそんなバカな事があるわけないと思うんだがな。」
「そうだよ、こんなブローチ一つで願いがかなうなら苦労しないさ。ところで…ブローチの件はともかく、君の妹さんはメアリに何か恨みでも?」
「いいや。」
カミューの質問に、びっくりしてマイクロトフは首を振る。


「なぜそんなことを?」
「いや、妹さんはブローチのせいでメアリが死んだと思っているんだろう?ブローチにそんな力があるかどうかは眉唾だけど、妹さんはなにか実際にメアリに恨みでもあって、彼女が死ぬように、これに願いをかけたんじゃないのかい?」
マイクロトフの手から受けとったブローチをためつすがめつしながら言う。
マイクロトフはもう一度首を振った。


「いや…。ナスターシャが願ったのはこうなんだ。なんでも、メアリのしていたイアリングと同じ様な品が欲しかったんだそうだ。金にエメラルドをはめた、なんだか贅沢な品らしくて、ナスターシャには高嶺の花だからな。羨ましかったんだろう。」
「うん?」
「それで、冗談半分で、俺の目の前で願い事をしたんだ。メアリが持っているようなイアリングが欲しいと。……そうしたら、…事故でメアリが病院に担ぎ込まれて…、そして、ナスターシャにこれをくれたんだ。欲しがってたから、これはあなたにあげる、もう私には必要ないから、と言ってな。…そのあとすぐ、メアリは事切れたらしい。」
「ふ~ん。…まあ、確かにちょっと気味の悪い偶然ではあるけどね。」
マイクロトフがコトリとテーブルに置いたイアリングを見つつ、カミューは懐疑的に呟く。


「そうだな…。ただの偶然だな。」
半ば自分に言い聞かせる様にうなずくマイクロトフにむけ、カミューは不意に冗談めかして笑いながら言った。
「もし…、本当に願いがかなうなら、願い事はあるんだけどね。」
「どんな?」
「秘密だよ。」
軽く片目をつぶって見せるカミュー。
「相変わらず、変な奴だな。」
マイクロトフは微かに笑うと、友人に茶を出すべくリビングを出ていった。

 

後に残されたのは、ソファに座るカミューと、彼の手の中のブローチ。
一人になったカミューは、掌の赤い宝石を見つめてそっと囁いた。


「もし…願いがかなうなら…、マイクロトフに私を好きだと言って欲しいな。」

 

誰よりも親しい友人。
高校で知り合ったマイクロトフにとって、自分はそういう存在だろう。
だが、自分にとってマイクロトフは、誰よりも欲しい相手だった。
ずっと好きだったのだ。
いや、今でも好きで好きでたまらない。
だからこうしてちょくちょく会いに来てしまう。
会えば切なさが募るが、それ以上に彼の顔を見ていられることが嬉しかった。
けれど、マイクロトフのような潔癖で堅物な男が。
同性である自分に恋心を持たれてると知って嬉しがるわけがない。


叶う事の決してない思い。
ただ隠しとおし密かに恋焦がれるしかない相手。
まったく、マイクロトフのこととなると、どんな些細な事でも気になってしまう。
高校時代も、彼に女性が近付くたび、散々やきもきしていたものだ。
もっとも、かなり鈍感な彼は、カミューが妨害するまでもなく、ついに恋人が出来なかったが…。
さっきなどは、死んだ従姉妹をマイクロトフが知っていたという事実すら動揺してしまった。
若くして死んでしまった従姉妹にすら、嫉妬をむけてしまいそうだった。
なんと業の深い恋心なのだろう。
そう思いはするものの、マイクロトフへの思いは募るばかりでただの一瞬も冷めることがない。
一体何故、ここまでマイクロトフが好きになってしまったのだろう。

 


「もし、叶うなら、マイクロトフがわたしを好きになってくれるように…。」
カミューは、真剣な顔でそう呟いた後。
自分でもバカらしいと思ったのか、ぽいとブローチをテーブルに投げ出した。
ソファによりかかり苦笑を浮かべる。
「やれやれ、わたしも重症だな。」
「なにが重症なんだ?」
ふいにドアが開きマイクロトフが入ってきた。
「うわ!」
「うわ?」
「いまの…聞いたか…。」
「なにをだ?」
さっぱり分からない、という顔のマイクロトフにカミューは慌てて首を振る。
「な、なんでもない。」
「?…変な奴だな。」
深く追求しないままに、マイクロトフは笑ってカミューの前にティーカップを置いた。

 

 

「それじゃ、わたしはそろそろ失礼するよ。」
「ああ。」
マイクロトフはたちあがって、玄関先までカミューを見送った。
「ノルウェーから帰ったら、また顔を見せに来い。」
「分かった。お土産はなにがいい?」
くすくす笑いながら言ったカミューに、マイクロトフは真面目な顔で首を傾げる。
ややあって、マイクロトフはこう答えた。

 

「お前が無事に帰って来てくれれば、他にはなにもいらない。気をつけて行って来い。」
真剣な夜色の瞳に見つめられて、カミューは狼狽した。
とっさに返事も出来ぬまま、マイクロトフの目を見つめ返す。
しばし見詰め合った後先に目をそらしたのはマイクロトフだった。

「それじゃあな。」
目元を僅かに染めて微笑うと、マイクロトフは踵を返して玄関の中に入っていってしまう。

 

玄関先で、カミューはしばらく突っ立っていた。
ひたすら先ほど言われたマイクロトフの言葉を反芻して、彼の真意を掴もうとする。
だが良く分からない。
普段は酷く分かりやすい男なのだが、時折このように内心が全く読めなくなってしまう。
ただ分かる事は。
お前が無事なのがなによりの土産、などと言われた今の自分は。
みっともないほどニヤけているに違いない、と言う事だった。

 


マイクロトフは顔を火照らせながらリビングに戻った。
なんだか妙に恥ずかしいことを言ってしまった。
まさかあれで、自分の気持ちがばれたりしまったらどうしよう。
いくら親友とは言え、男が男に向かって言う台詞ではないだろう。
カミューが研究旅行に行くことなどしょっちゅうだし、その度にあのような事を言っている訳ではない。
それなのに、今日に限って自分の思いを吐露するような台詞を漏らしたのは。


…多分、妹の友人が死んだせいだ。
あのように妹と同い年の少女でも、ある日思いがけなく死んでしまうのだ。
ならば、カミューだって自分だっていつ死ぬか分からない。
今日生きていたからと言って、明日も生きているとは限らない。
理屈ではそうだが、普段人間はそんな事は考えない。


今日の次は明日、明日の次は明後日を無事に迎えられると、無意識に信じ込んで、日々を送っている。
けれど、思いがけない死に直面すると、ふいに考えてしまうのだ。
死は唐突に時を選ばず訪れるものなのだと。
そして、自分もカミューも、いつ死ぬか分からないし、死ぬ前に会えるかどうかも分からないのだと。

 

マイクロトフはカミューが好きだった。
しかも、その好きという感情は、友情という範疇を遥かに超えた強いものだった。いつから好きだったのか、どうしてこんなに好きなのか、自分でもわからない。けれど、確かに自分はカミューの事が誰よりも好きだった。カミューが恋人の女性と腕を組んで歩くのを見ると、胸が痛み、切ない思いをした。


よく、カミューは、これまで女性と付合った事がないマイクロトフを、朴念仁だとからかう。

 

「まったく、お前は、誰かを好きになったことがあるのかい?」

 

マイクロトフとは対照的に、カミューはいつも女性の噂が絶えない。
実際に、人がうらやむような美女と連れ立っているところをマイクロトフも何度か目撃している。
そんな華やかな恋愛歴を誇るカミューから見れば、マイクロトフは恋愛感情すら知らない風に見えても仕方がないのかもしれない。
だが、カミューにからかわれる度。
マイクロトフは、こう言い返しそうになるのを必死に堪えていた。

「あるとも。俺はお前が好きなんだ。」

あの女好きが、男に恋心を寄せられていると知って喜ぶ筈がない。
気持ち悪がられて、疎遠になって、それでカミューとの付合いはお終いだ。

そんなことになるくらいなら、このまま友人でいたほうが良い。

そうマイクロトフは割りきっていたつもりだった。
それなのに………。

さっきは、つい正直な思いを口にしてしまった。

カミューが無事で帰ってきてくれるなら、他に望むことはないのだと。


リビングに戻り茶碗を片付けようとしたマイクロトフは、ソファに残されたマフラーを見つけた。
「カミューの忘れ物か。」
ノルウェーから、帰ってくるまで預かっていようかと思ったのだが。
いまならまだカミューを呼びとめられるだろう。
マイクロトフはマフラーを手にとって、玄関へ取って返す。

誰もいないリビングのテーブルの上。
残されたブローチが、窓からさしこむ夕日を受けて、赫く禍禍しい光を放っていた。

 

「カミュー!!」
玄関から出たマイクロトフは、あたりを見まわした。
すると、カミューは、少し離れた道路脇に止めてある自分の車に乗りこむところだった。
マイクロトフは小走りに車に近付いた。
手に持ったマフラーを振り振り、カミューに呼びかける。
「忘れ物だぞ!!」
「ああ、ごめん。わざわざ有難う。」
カミューは乗りかけた車のドアをしめ、マイクロトフの方に歩み寄った。
「ほら。」
「悪いね。」
「いや…。カミューはいつの飛行機で行くんだ?明日は、メアリの葬儀があるのだろう。」
「うん。明日の夕方の飛行機だね。」
「そうか。」
マイクロトフはカミューの顔を見、なにか言いかけたが、結局なにも言わずにマフラーを手渡した。
「有難う。それじゃあ。」
「ああ……。」

 

マイクロトフが、カミューから離れて家の方へ戻ろうとした時。
カッ、と強い光が二人を照らし出した。

 

あっという間に光る目玉が、近付いてくる。
なにもない真っ直ぐな田舎道。
ついスピードを出したくなる、バカな若者の乗った車が凄い勢いで、こちらへ爆走してきた。
カミューは、迫ってくる暴走車に背中を向けて立っていた。
自分と向かい合ったマイクロトフが、正面からのヘッドライトに目を細めたのに気付いて、後ろを確認しようとした。

 

カミューが轢かれる!!!

 

そう思った瞬間、マイクロトフは躊躇いなく動いていた。
体当たりして、暴走車の進行方向にいたカミューを突き飛ばす。
その代わり、マイクロトフは、まさに突っ込んでくる暴走車の真正面に身を晒す事になった。

 


鈍い音を立て、マイクロトフが跳ね飛ばされ地面に転がった。
突き飛ばされてたたらを踏んだカミューは、呆然と立ちすくむ。
「ま、マイクロトフ……。」
ふらふらと、地面に横たわる友人の元に近寄る。
「マイクロトフ!!」
倒れたマイクロトフの身体から、じわじわと、アスファルトに赤いものが広がって行く。

 

暴走車のドライバーは、急停止して車から飛び降りてきた。
だが、自分が人を轢いてしまったと知るや、そのドライバーは、ひぃっと悲鳴を上げ、転げる様に車に戻ってしまった。

マイクロトフをひっかけた暴走車が、逃げて行ったのにも構わず、カミューはマイクロトフの横に膝をついた。
「マイクロトフ。」
横たわる身体を揺するのを、何とか理性で押しとどめ、救急車を呼ぼうと携帯を取り出す。
震える指でボタンを押そうとした時。
微かな声がカミューの名を呼んだ。

「……カミュー。」

「マイクロトフ!」
カミューは、胸を撫で下ろしながらマイクロトフの顔を覗きこむ。
意識があるのなら、大丈夫だろう。
「…カミュー。大丈夫か?」
「マイクロトフ、すまない。…わたしが車に気がつかなかったから。」
「…いや、いい。あれは…あの車が悪い。」
言われてカミューは顔をあげ当たりを見まわすが、暴走車の姿はない。
舌打ちしながら、カミューは再びマイクロトフを覗き込む。
「あいつ、逃げたな!!…まあいい。車のナンバーは覚えてるから。ごめん、マイクロトフ。すぐ救急車を呼ぶから。」


言って携帯のボタンを押し、すばやく事情を説明し、通話を終える。

 

「カミュー、…怪我してないか?」
「大丈夫だよ、お前が助けてくれたから…。ごめん、マイクロトフ、ごめん……。」
「いや……いい。」
マイクロトフは横たわったまま、そっとカミューの方に手を伸ばした。
だが、ちょっと手は少ししか動かなかった。
車に撥ねられ、激しく地面に叩きつけられたせいで、身体機能に故障が出ているらしい。
かわりにカミューがマイクロトフの手を握り、もう片方の手をマイクロトフの頬に当てる。


マイクロトフはほっとしたように微笑んだ。
「おまえが…無事ならいい。………なあ、カミュー。」
「なんだい。」
なにより大事な相手に庇われて、しかもそのせいで相手が車に轢かれてしまった。
カミューは深い悔恨に襲われつつも、命の恩人に何とか笑みらしきものを返す。
すると、マイクロトフは、どこか遠い目をして、呟いた。


「…今だからいうんだが。……俺はお前が好きだ……。」


「マイクロトフ!!」
激しい驚きに目を見張り、カミューはマイクロトフの顔を凝視した。
視線の先で、マイクロトフは穏やかな笑みを浮かべている。
そして、そっと頭をずらし、頬に当てられたカミューの掌に自分の唇を軽く押し当てた。
暖かい吐息がカミューの指先をくすぐる。

「急に…こんなことを言って…すまない。…いやだったら、忘れてくれていいから…。」
「マイクロトフ。」
「俺はお前が好きだ。…だから、お前が無事ならそれで良いんだ…。」

言い終えると、どこか安心した様にマイクロトフは目を閉じた。
それと同時に、何の前触れもなく、彼の呼吸は停止した。


 

 

次回につづく (いちおうグッドかトゥルーですが、人によっては、リア充ちネ!)かもね

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